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金縛りの最中に浮いていたぬいぐるみ

子どもの頃、私は引っ込み思案で人と話す事が苦手でした。そんな私に中学前の誕生日に母から喋るぬいぐるみをプレゼントされました。

白黒のお腹にハート型の模様があり見た目は人間の子どもののようであり、手やお腹を押すと特定な言葉を話す可愛らしいぬいぐるみ、楽しい時も悲しい時もいつも一緒で寝る時はいつも枕元にいて一緒に眠っていました。


高校生になってから、学業や部活が忙しく青春真っ盛りになっていったのでぬいぐるみと眠る事もなくなり押し入れにしまうようになりました。


ある夏の夜中、一人で留守番してテレビを見ていた時、隣の部屋から変な音がするので行ってみると、そこには天日干しされていたあのぬいぐるみだけがいました。「あれ、確かにおはようとか今言ったよね」と思い手足を押してみましたが音が出ず。

まさかと思いお尻の電池部分を開けてみると、そこは何も入っておらず空のまま。

身の毛がよ立ち怖くなったので急いで押し入れにしまいました。なんだったろう接触不良なのかな、私の聞き間違えかな?とあまり深く考えずに忘れるように心がけていました。


それから数ヶ月後、多感期であったためか何度か眠ると金縛りにあうようになり、眠ると昼夜問わず毎回痺れるようになりました。「また今日も金縛りか、なんなんだろう」「おばけでもついてるのかな」と金縛りの最中顔だけは動くので頭上をみると…そこにはあのぬいぐるみが、浮いていました。

その部屋にいるはずがない、ぬいぐるみが何も言わず宙に浮いてずっと私を見つめていました。その恐怖に耐えられず、私は翌日母に泣きついてぬいぐるみを処分してほしいと頼みました。


悲しい時も嬉しい時も一緒に一緒に分かち合った中でした。相談事もぬいぐるみにする時期もありました。

そんな心の友だったぬいぐるみを、いつの間にか私が相手にしなくなってぬいぐるみは怒ったのかもしれない、悲しんでるかもしれない、後からそう思うようになりましたがこの時ばかりはあまりの恐怖で離れたい一心でぬいぐるみを手放す事に決めました。


それから半年後、私は母にあのぬいぐるみをどのように処分したたのか尋ねました。当時訪問介護で働いていた母は「捨てたら勿体ないでしょ、だから人にあげた、お客さんにあげたよ」「おばけなんていないから大丈夫」と言っていましたが私はとても不安になりました。

他の家に行っても私を怨んで飛んでくるんじゃないか、許してもらえないんじゃないかとまた不安で眠れなくなりました。

しかしよくよく話を聞いてみるともらった方は高齢の重度認知症のおばあさん、あげたら孫がきたと喜んでいたと話され少し安心しました。


後日、夕食どきに母から「あのぬいぐるみ、ついに髭が生えたよ!」と言われて箸が止まりました。ついにぬいぐるみが狂ってしまったか、市松人形みたいに毛が伸びたのかと思い怖くなってしまいましたが、「そうじゃないよ、この話には続きがあるの」と母は笑いました。

おばあさんはぬいぐるみを本当に孫だと思って可愛がり自分が食事している時も抱えながら食べていた、「お前もお食べ」と自分が食べていたものを分けていたの。そしたらおやつのプリンもあげちゃって、そこに部屋に進入した蟻がついてぬいぐるみの口の周りについちゃって、それで髭が生えたってわけよ!と珍事実が発覚、それを聞いて笑った反面とても安心しました。

可愛がってくれる新しい持ち主に会えてよかった、きっともうあのぬいぐるみはさびしくないのでしょう。

それ以降金縛りにあう頻度は少なくなりました。そしてぬいぐるみや人形を集める事もなくなりました。生き物じゃなくてもものには心が入りやすい、だから最後まで大事にできないのならぬいぐるみも持たないほうが身の為だという事を学びました。